絵本の種類・ジャンル13選|どんな絵本を作る?作りたい作品を見つけよう

「こんな絵本を作ってみたい」
なんとなくイメージはあっても、「どんな形の絵本にしよう?」と考えると、迷うことがあります。

普段はあまり意識しませんが、絵本にもいろいろなジャンルがあります。

ジャンルを知ると、絵本というものの解像度が高まり、

「こんな表現もあるんだ」
「自分の作りたいものなら、こんな形が合いそう」と、アイデアも広がってきます。

そこで今回は、絵本を13のジャンルに分けて紹介します。

厳密な分類というより、
自分の作りたい絵本の形を見つけるヒントとして見てみてください。

赤ちゃんや小さな子どもが出会う絵本です。
「ファーストブック」と呼ばれることもあり、主に0〜3歳くらいを対象としたものが多くあります。
複雑なストーリーよりも、言葉の響きや繰り返し、食べ物・動物・乗り物・色・形など、身近なものを楽しむ作品が多いのが特徴です。
絵も、色や形がはっきりしたシンプルな表現がよく使われます。
人生で初めて出会う「本」になることも多い、特別なジャンルです。

AI たろう

人生で初めて読む本を自分で作って、誰かに贈れたらすごく嬉しいですよね。
シンプルな絵柄のものも多いので、AI画像生成のハードルも比較的低く、AIで初めて絵本を作る方にも挑戦しやすいジャンルだと思います。

このジャンルの作品例
『いないいないばあ』(松谷みよ子 文/瀬川康男 絵)
『じゃあじゃあびりびり』(まついのりこ 作・絵)

登場人物がいて、出来事が起こり、ストーリーとして展開していく絵本です。
冒険や友情、不思議な世界などテーマはさまざまで、絵本のために作られたオリジナルの物語が多いのも特徴です。
文章ですべてを説明するのではなく、文章には書かれていないことを絵で伝えたり、ページをめくることで物語が展開したりと、文章と絵を組み合わせてストーリーを楽しめるのが物語絵本の面白さです。

AI たろう

「AIで絵本を作ってみたい」という方は、ジャンルを意識する前に、ぼんやりと物語のある絵本を思い浮かべている方も多いと思います。
キャラクターを動かしたり、場面をつないだりと、作る内容によってはハードルも高くなりますが、その分、1冊完成したときの達成感はすごく大きいと思います。

このジャンルの作品例
『ぐりとぐら』(なかがわりえこ 作/おおむらゆりこ 絵)
『ぐるんぱのようちえん』(西内ミナミ 作/堀内誠一 絵)

昔から人々の間で語り継がれてきた物語を、絵本として表現したものです。
『桃太郎』のような昔話や、地域に伝わる民話などがあり、落語を絵本にした作品もこのジャンルに近い表現といえます。
長い年月の中で「人に聞いてもらう物語」として磨かれてきたため、声に出して読んだときのわかりやすさや、続きを聞きたくなるような言葉と展開が魅力です。
絵本の文章や物語の作り方を考えるうえでも、学べることの多いジャンルです。

AI たろう

みんなが知っている昔話を、自分なりの絵や世界観で表現したらどんな作品になるのか。
そう考えるだけでもワクワクしますね。
昔からある物語だからこそ、表現の違いも楽しめそうです。

このジャンルの作品例
『ももたろう』(松居直 文/赤羽末吉 画)
『おおきなかぶ』(A・トルストイ 再話/内田莉莎子 訳/佐藤忠良 画)

もともと文章だけで存在していた文学作品や古典などに、絵を加えて作られる絵本です。
宮沢賢治などの文学作品をはじめ、日本や世界の古典が絵本として表現されることもあります。
文章だけの作品では、読者それぞれが頭の中で想像していた世界に、作り手が新しくビジュアルを与えることになります。
「この場面をどう描くのか」「どんな世界として見せるのか」によって、原作に新しい見え方を加えられるのが面白いところです。

AI たろう

小説は、文章を読んで一人ひとりが頭の中で違う風景を想像しますよね。
それを絵本にすると、作者が思い描いた世界が目に見える形になる。その違いもすごく奥深いなと思います。
自分で短い物語を書いて、そこから絵本にしてみるのも面白そうです。

このジャンルの作品例
『ごんぎつね』(新美南吉 作/黒井健 絵)
『注文の多い料理店』(宮沢賢治 作/島田睦子 絵)

子どもの日常の中で起こる出来事を描いた絵本です。
家族との時間、友達との出来事、幼稚園や学校でのこと、嬉しかったことや失敗したことなど、身近な体験が題材になります。
大人から見ると小さな出来事でも、子どもにとっては大きな喜びや悩みになることがあります。
読んだ子どもが「これ、私と同じ」「こういうことあるよね」と感じられるような、気持ちや体験のリアリティが大切なジャンルです。

AI たろう

暮らしの中には、絵本になりそうなアイデアが本当にたくさんあります。
AIで「作ってみたい」を形にしやすくなったので、まずAI画像を作ってみて、そこから物語を広げていく。
そんな作り方も面白いなと思います。

このジャンルの作品例
『はじめてのおつかい』(筒井頼子 作/林明子 絵)
『あさえとちいさいいもうと』(筒井頼子 作/林明子 絵)

現実ではありえないことや、理屈では説明できない世界を楽しむ絵本です。
突然家が歩き始めたり、大きさがめちゃくちゃだったり、理由もなく不思議な出来事が起きたり。
日常では原因や結果、ルールを考えることが多いですが、ナンセンス絵本ではそんな決まりごとから自由になれます。
「なんだこれ!」「よくわからないけど面白い」という感覚そのものを楽しめるのが魅力です。

AI たろう

このジャンル、私はすごく好きです。
「そんなことある?」と思うくらい自由な発想で作れるのが、ナンセンス絵本の面白さですよね。
AIをいじっている中で思いがけないイラストが生まれて、そこから物語が広がっていく。そんな作り方とも相性がいいジャンルだと思います。

このジャンルの作品例
『もこ もこもこ』(谷川俊太郎 作/元永定正 絵)
『きょだいな きょだいな』(長谷川摂子 作/降矢なな 絵)

動物や植物、宇宙、石、昆虫、体の仕組みなど、あるテーマを事実に基づいて紹介する絵本です。
物語を楽しむフィクションとは違い、「本当はどうなっているの?」という疑問を、絵や写真を使いながらわかりやすく伝えます。
一つのテーマを深く掘り下げた作品も多く、内容によっては専門的な知識も必要になります。
専門家が文章を書いたり監修したりする場合もあれば、作者自身が取材や調査を重ねて作ることもあります。

AI たろう

「科学絵本」と聞くと少し難しそうに感じるかもしれませんが、自分の好きなことや詳しいことを、絵本にして伝えられるのが面白いところだと思います。
誰しも、これまで生きてきた中で「これは得意」「これは結構詳しい」と言えることがあるはずです。
そういうテーマを、絵本ならではの自由さやユーモアを交えながら伝えていくのも面白いなと思います。

このジャンルの作品例
『たんぽぽ』(平山和子 文・絵/北村四郎 監修)
『しずくのぼうけん』(マリア・テルリコフスカ 作/ボフダン・ブテンコ 絵/うちだりさこ 訳)

イラストではなく、写真を使って作られる絵本です。
実際の動物や植物、自然などをそのまま見せられるため、科学絵本の中でも写真はよく使われています。
一方で、写真を使ってストーリーを展開する物語絵本もあります。
その場所の空気や光、その瞬間の表情など、現実の一場面を写し取れることが、写真ならではの大きな魅力です。

AI たろう

自分で撮った写真を使えるのが、このジャンルの面白さだと思います。
行った場所の写真や、食べたもの、思い出の写真を使って、AIで一部を変えたり、消したり、言葉を加えたりすると、アイデアは本当に無限大です。
写真×AIで、すごく面白い絵本が作れそうだなと思います。

このジャンルの作品例
『ふゆめがっしょうだん』(冨成忠夫・茂木透 写真/長新太 文)
『ひとしずくの水』(ウォルター・ウィック 写真・文/林田康一 訳)

文章を使わず、絵だけで物語を伝える絵本です。
登場人物の表情や動き、背景、色、構図などから、読者が「今何が起きているのか」を読み取っていきます。
映像のように動いたり音が流れたりするわけではないからこそ、一枚一枚の絵を自分のペースでじっくり見ることができます。
読む人によって物語の受け取り方が少しずつ変わるのも、このジャンルの面白さです。

AI たろう

文字がない分、絵だけでどこまで伝えられるかが、このジャンルの大きなテーマだと思います。
AIは、手で描くよりもずっと速くたくさんのイラストを作れるので、その中から選んでつなげながら物語にしていく、という作り方とも相性がよさそうです。
絵だけでストーリーを伝える絵本は、AIでもうまく挑戦しやすいジャンルなんじゃないかなと思います。

このジャンルの作品例
『かさ』(太田大八 作・絵)
『旅の絵本』(安野光雅 作)

しりとり、なぞなぞ、回文、ダジャレ、あいうえお、ことわざなど、言葉そのものを楽しむ絵本です。
物語を伝えるための言葉というより、言葉そのものが主役になります。
音の響きやリズム、言葉の意外な組み合わせなどを楽しみながら、そこに絵が加わることでさらに表現が広がります。
文章と絵で物語を作る絵本とは、また違った面白さを持つジャンルです。

AI たろう

しりとりや回文のように、言葉そのものを楽しめるのがこのジャンルの魅力だと思います。
イラストも比較的シンプルに作りやすいので、AIを初めて使う方にも挑戦しやすそうです。
その一方で、シンプルだからこそ、どう面白さを出すかは奥深いところでもあります。
最初の1冊としてもおすすめしやすいジャンルだと思います。

このジャンルの作品例
『ことばあそびうた』(谷川俊太郎 詩/瀬川康男 絵)
『へんしんトンネル』(あきやまただし 作・絵)

たくさん描かれたものの中から、特定のキャラクターやアイテムを探して楽しむ絵本です。
「○○はどこ?」「見つけてみよう!」と、ゲームのように参加しながら読むことができます。
ただ探して答えを見つけるだけではなく、画面そのものにたくさんの発見があることも大切です。
答えがわかったあとでも、何度も開いてじっくり眺めたくなる世界が作られているのが魅力です。

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探し絵絵本も、AIは結構得意なんじゃないかなと思います。
たくさんイラストを作って、その一部をAIで消したり、別のものに変えたりすることが簡単にできるので、仕掛けも作りやすいです。
画像生成だけでなく編集機能もちょっと使うので、初心者から中級者くらいの方におすすめできそうです。

このジャンルの作品例
『NEWウォーリーをさがせ!』(マーティン・ハンドフォード 作・絵)
『ミッケ!』(ジーン・マルゾーロ 文/ウォルター・ウィック 写真/糸井重里 訳)

本そのものの仕組みを使って楽しむ絵本です。
ページを開くと絵が飛び出す、穴から次のページが見える、触ると感触が違う、音が鳴るなど、さまざまな仕掛けがあります。
絵や文章だけではなく、「めくる」「触る」「動かす」といった読者の動きも作品の一部になります。
仕掛けそのものの面白さだけでなく、仕掛けによって絵本の内容がさらに楽しくなることが、このジャンルの魅力です。

AI たろう

仕掛け絵本は、Kindle出版のような形だと少し作りにくい部分もあるかなと思います。
でも、印刷した絵本にあとから自分で工作のように手を加えて、オリジナルの1冊にしていくのはすごく面白そうです。
自分の子どものために、普通の絵本にさらにひと工夫加えたものを作る、というのもオリジナリティがあっていいなと思います。

このジャンルの作品例
『まどからおくりもの』(五味太郎 作・絵)
『オセアノ号、海へ!』(アヌック・ボワロベール、ルイ・リゴー 作/松田素子 訳)

大人の読者に向けて作られた絵本や、年齢を問わず大人にも深く響く絵本です。
人生、仕事、家族、孤独、恋愛、老い、記憶など、大人だからこそ受け取れるテーマを扱うこともあります。
文章をたくさん使わず、絵と言葉の余白を楽しむような作品もあります。
短い文章と絵だからこそ伝えられる感情もあり、まだまだいろいろな表現が生まれそうなジャンルです。

AI たろう

大人になったからこそ伝えたい思いや、静かに届けたい言葉ってあると思います。
絵本はページ数が少ないイメージもありますが、少し長めの作品にして、じっくり味わえる1冊にするのもいいですよね。
物語だけでなく、辞典のような形でまとめてみるのも面白そうだなと思います。

このジャンルの作品例
『ぼくを探しに』(シェル・シルヴァスタイン 作/倉橋由美子 訳)
『葉っぱのフレディ ―いのちの旅―』(レオ・バスカーリア 作/みらいなな 訳/島田光雄 画)

ジャンルを組み合わせても面白い

ここまで13種類の絵本を紹介してきましたが、実際の絵本はきれいにひとつのジャンルに分けられるものばかりではありません。

たとえば、

科学 × 写真
物語 × 文字なし
ナンセンス × 仕掛け
大人向け × 写真

のように、ジャンルを組み合わせることもできます。

そして、13種類のどれにも当てはまらない絵本を作ってもいい。

絵本は、思っている以上に自由です。

まずは、「自分だったら、どんな絵本を作ってみたい?」と考えてみてください。

ぜひ、自分なりの一冊を考えてみてください。

※この記事のジャンル分けは、『絵本作家になるには』(ぺりかん社)を参考にしながら、絵本を作ってみたい方に向けて独自に整理・再構成しています。

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「こんな絵本を作ってみたい」が見つかったら、次は実際に形にしてみるのも面白いです。
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参考文献・参考資料

この記事では、絵本のジャンル分けやそれぞれの特徴について、以下の書籍を参考にしました。

小野明・柴田こずえ著
『絵本作家になるには』
なるにはBOOKS 139/ぺりかん社/2013年

本書で紹介されている絵本の分類や特徴を参考にしながら、これから絵本を作ってみたい方にもわかりやすいよう、内容を独自に整理・再構成しています。

作品例の書名・著者情報は、出版社公式サイトや出版書誌情報、図書館の書誌で確認しました。以下は確認に用いた資料です。ジャンルへの分類は、各作品の特徴に基づくこの記事での整理です。

01 赤ちゃん絵本・幼児絵本:『いないいないばあ』書誌・作品紹介/『じゃあじゃあびりびり』書誌・作品紹介

02 物語絵本:『ぐりとぐら』書誌・作品紹介/『ぐるんぱのようちえん』書誌・作品紹介

03 昔話・民話絵本:『ももたろう』書誌・作品紹介/『おおきなかぶ』書誌・作品紹介

04 文芸絵本:『ごんぎつね』書誌・作品紹介/『注文の多い料理店』書誌・作品紹介

05 生活絵本:『はじめてのおつかい』書誌・作品紹介/『あさえとちいさいいもうと』書誌・作品紹介

06 ナンセンス絵本:『もこ もこもこ』書誌・作品紹介/『きょだいな きょだいな』書誌・作品紹介

07 科学絵本:『たんぽぽ』書誌・作品紹介/『しずくのぼうけん』書誌・作品紹介

08 写真絵本:『ふゆめがっしょうだん』書誌・作品紹介/『ひとしずくの水』書誌・作品紹介

09 文字なし絵本:『かさ』書誌・作品紹介/『旅の絵本』書誌・作品紹介

10 言葉遊び絵本:『ことばあそびうた』書誌・作品紹介/『へんしんトンネル』書誌・作品紹介

11 探し絵絵本:『NEWウォーリーをさがせ!』書誌・作品紹介/『ミッケ!』書誌・作品紹介

12 仕掛け絵本:『まどからおくりもの』書誌・作品紹介/『オセアノ号、海へ!』書誌・作品紹介

13 大人の絵本:『ぼくを探しに』書誌・作品紹介/『葉っぱのフレディ ―いのちの旅―』書誌・作品紹介

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