こんにちは。今回の記事では、OpenAIが公式に発表したプロンプトテクニックを6つ、詳しく解説していきます。
インターネットや書籍には様々なプロンプトテクニックがあふれていますが、その数が多すぎてどれが正しいのか判断が難しくなっています。そんな中、OpenAIが公式に「プロンプトテクニック」と呼ぶものを発表しました。これらのテクニックは非常にシンプルでありながら、全てが網羅されていると感じました。
今回の記事では、これら6つのテクニックと具体的な例を用いて、誰もが理解しやすいように解説していきます。
プロンプトエンジニアリングって何?
さて、本題に入る前に、OpenAIが公式に発表した内容によれば、プロンプトエンジニアリングという手法を用いて、良いプロンプトを作るための6つの方法が紹介されています。
プロンプトエンジニアリングとは、プロンプトの設計や構造に関するプロセス全体を指します。一方で、プロンプトテクニックとは、特定のプロンプトスタイルや方法に焦点を当てた、より具体的なアプローチを意味します。
プロンプトエンジニアリングはより広い概念ですが、今回は、より理解しやすい「プロンプトテクニック」という観点から、これら6つの方法を解説していきます。
良いプロンプトを作るための大前提
まず大前提として、良いプロンプトを作るために必要な考え方があります。
それは、AIにさまざまな情報を提供し、できるだけ詳細に指示を出すことです。
この考え方がプロンプトを作る上で何よりも重要だと思います。
ただ、これだけでは具体的にどうすればよいかが分かりません。そこで、今回の発表である6つのテクニックを解説します。
これはAIに色々な情報を与えてなるべく詳細に指示を出すにはどうすればいいのか、の手順となっていると考えてみてください。
OpenAIが公式に発表したChatGPTプロンプトテクニック6つ
OpenAIから公式に発表された方法は以下の6つです。
- 明確な指示を書く
- 参考文献を提供する
- 複雑なタスクを単純なタスクに分割する
- 考える時間を与える
- 外部ツールを使用する
- 変更を体系的にテストする
では、具体的に1つずつ見ていきましょう。
1.明確な指示を書く
最初のテクニック「明確な指示を書く」は、プロンプトの基本ですが、非常に重要なポイントです。
自分が必要とする情報をできるだけ詳細に指示することで、チャットGPTの回答の正確性が高まります。
たとえば、「絵画の歴史について説明してください」というざっくりとした質問では、AIは古代から現代に至るまでの絵画の歴史を大まかに説明します。このような回答は全体的な概要は出てきますが、情報がぼやけていて詳細が不足しがちです。
より具体的な情報が必要な場合、質問を詳細化することが鍵です。
例えば、
- 「ルネサンス時代のイタリア絵画の主要な特徴と影響を、3つのポイントで簡潔に説明してください」
- 「ルネサンス時代のイタリア絵画の主要な絵画を5つ挙げて、数字を用いて説明してください」
と尋ねると、AIはより具体的かつ関連性の高い情報を提供することができます。
このように、大まかな質問ではなく詳細に指示することで、求めている情報を手に入れることが可能になります。ChatGPTに質問する際に、できるだけ詳細に指示をすることが重要だということです。
2.参考文献を提供する
次に、「参考文献を提供する」というテクニックについて解説します。
ChatGPTは、膨大な情報源から適切な答えを選んで提供しますが、必ずしもその情報の正確性が保証されるわけではありません。
この問題に対処するためには、参考文献や資料を事前にChatGPTに伝えることが効果的です。これにより、回答の正確性や信頼性が高まります。
例えば、あなたが「フランス革命について説明してください」と質問すると、ChatGPTはフランス革命がいつからいつまで起こったか、主要な原因、重要な出来事、結果について答えてくれます。しかし、時にはChatGPTが提供する情報が間違っている可能性があるため、特に正確な情報が求められる場合には注意が必要です。
そのため、正確な情報を求める出力するには、「リンクにある記事に基づいてフランス革命の主要な出来事とその影響を日本語で説明してください」といったように、信頼できる情報源を参照して質問することが推奨されます。これにより、ChatGPTはより正確な情報を基に回答を出すことができます。
3.複雑なタスクを単純なタスクに分割する
続いて「複雑なタスクを単純なタスクに分解する」についてです。
これは、ChatGPTに難しい質問を一度に答えさせるよりも、簡単な質問に分解して答えを出させた方が良い結果が得られるというテクニックです。
例えば、お話を考えてもらおうと思った時に「面白いお話を考えてください」と質問します。
そうすると、ChatGPTは「不思議な音楽の森」というお話を考えてくれますが、長さの短い単調なお話になってしまいます。
しかし、この1つの大きな質問を小さく細かく区切っていくと、より良いお話を作ることができます。
例えば、お話の起承転結を章に分けて部分ごとに作成するようにChatGPTに指示します。
- 「お話の始まりの部分を作ってください」
- 「お話のまとめを作ってください。」
と質問を細かく区切ってみると、ChatGPTはそれぞれの質問に対する文章を作ってくれます。
その後、章ごとのお話を組み合わせることで、大きな質問で作ったよりも長いお話が完成します。
4.考える時間を与える
「考える時間を与える」という方法では、ChatGPTにステップごとに考えてもらうことを意図します。
例えば、「クラスに男の子が15人、女の子が10人いて、クラス全体の40%がサッカークラブに参加している場合、サッカークラブには何人の生徒がいるか?」という問題をChatGPTに出してみます。
通常のアプローチでは、ChatGPTに直接回答を求めますが、「考える時間を与える」方法では、
「この問題を解くためにステップを順番に実行してください。そして、ステップごとにあなたの考えを説明してください。」という指示をChatGPTに出します。
このアプローチにより、ChatGPTは計算の過程を詳細にステップごとに説明し、結果として10人という正確な答えを出します。
ChatGPTに考える時間を与えることで、その思考過程をしっかりと記述してもらえるのです。
5.外部ツールを使用する
「外部ツールを使用する」という方法では、ChatGPT内では難しい計算や情報を他のツールで解析し、そのデータをChatGPTが使用するということです。
実際に試してみようと思ったのですが、少し複雑なので、今回はどういうものかという概要だけを解説します。例えば、株価情報を専門的に取り扱いたい場合、ChatGPTではなく他の専門的なツールを用いて株価の値動きを分析します。その分析結果を、その後ChatGPTと組み合わせて使用するというのが一般的なイメージです。
6.変更を体系的にテストする
最後に、「変更を体系的にテストする」という点です。
これは、プロンプトを作る際に一つの方法で試すのではなく、さまざまな角度からプロンプトを試してうまくいくかをテストするという意味です。
例えば、
ChatGPTを使って世界中の言語を翻訳するプロジェクトを行う場合、英語から日本語への翻訳がうまくいったからといって、そのプロンプトが正しいとすぐに判断せず、フランス語からスペイン語、アラビア語から英語など、様々な言語ペアでテストを行う必要があります。
この方法により、複雑な問題に対しても、ChatGPTが間違った答えを出すことを防ぎ、より正確なプロンプトが作成できます。
まとめ
OpenAIが公式に発表したプロンプトテクニックの6つをご紹介しました。
これらは非常に大切な考え方で、今後も変わらないプロンプトの考え方だと思います。
要点を一行でまとめると、効果的なプロンプトを作成するためには、AIに様々な情報を提供し、できるだけ詳細に指示を出すことが重要です。
本記事はここまでです。お読みいただき、ありがとうございました。
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